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HOME   »   競馬  »  [競馬コラム111] ラムタラ号 死す。
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 2014年7月6日にラムタラ号が死去したと報じられました。1992年生まれでしたから22歳でした。

 ラムタラの競走成績は完璧です。
 通算4戦4勝、1994年のダービー、キングジョージ6世&クイーンエリザベス・ステークス、凱旋門賞に優勝し、いわゆる「欧州3冠」を達成しました。1971年のミルリーフ号以来、史上2頭目の快挙でした。

 ラムタラ号、父ニジンスキー、母スノーブライド、母の父ブラッシンググルーム。良血でしょう。ニジンスキーの父とスノーブライドの3代前がノーザンダンサーですから、ノーザンダンサーの血量31.25%となります。
当時の、そして現在でも、欧米競馬の主要な血統だと思います。

にもかかわらず、ラムタラは1994年欧州年度代表馬にはなれませんでした。これは、不思議なことでした。無敗で欧州3冠レースを制した馬が年度代表馬に選ばれないのであれば、いったいどんな成績を残せばよいのだろうか、と考えたことを憶えています。

選ばれなかった理由として
① 1994年の欧州3冠レースには強い馬が出ていなかったこと
② 3つのレースの2着との着差が小さかったこと(ダービーが1馬身差、キングジョージがクビ差、凱旋門賞が1馬身差)
が挙げられました。

 屁理屈というか、いちゃもんとしか言いようがない理由付です。レーティングも異例の低さでした。

 やはり、馬主がドバイの王族であり、石油マネーによる良血馬の買い占めを快く思わなかった欧州競馬界、殊にイギリス競馬界の反発があったという説も有力だと感じてしまいます。

 そして、種牡馬になってからの不振が、この「恣意的な評価」を後押しするものになってしまったことが、ラムタラにとっては不幸なことでした。
 種牡馬としてのラムタラは、期待外れというより、全くの不振と言って良い成績しか残せなかったのです。

 種牡馬となって早々に、3000万ドル(当時約33億円)で日本に売却されました。
 この時「ラムタラを手放したくない牧場関係者が色々と邪魔をした」とか「日本が金に明かせて名馬を買い漁る」とかいった報道がなされましたが、本当にそうだったのでしょうか。

 「もったいぶった様子で売却した」と言う方が正しいような気がします。3歳春の大病や血統における何らかの問題点から、高く買い取ってくれる先を探していたのかもしれません。本当に残さなければならない馬なら、売却しないでしょう。

 一方、日本側にも事情があって、1990年に輸入されたアメリカ二冠馬サンデーサイレンスが、日本競馬を変えてしまうような大活躍を見せ始めていた頃であり,これに対抗する、あるいはこれと共存するための強力な血統が求められていたのです。
 ラムタラは、その競走成績を観れば、十分にその役割を果たせるであろうと推定されたことは想像に難くありません。

 しかし、産駒は走りませんでした。種牡馬としての初年度、イギリスで種付された馬からも、2年目以降日本での産駒からも、G1レースはおろか重賞勝ち馬を探すのも苦労する状態。このクラスの名馬としては珍しいことだと思います。

 2006年にラムタラは、24万ドルで元のイギリスの牧場に買い戻されました。33億ドルで買って、24万ドルで売却されたのです。ラムタラには何の責任もありませんが、日本競馬界としては残念な結果となりました。

 ラムタラが生まれた1992年、ラムタラの誕生から2か月後に、父ニジンスキーが死亡しました。
 ラムタラは、ニジンスキーの生まれ代わりだったのでしょう。そして、父が果たせなかった「欧州3冠」を達成しました。まだ、史上2頭しか達成していないこの走りは、誰が何と言おうと見事なものでした。

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史上2頭目の欧州三冠馬・ラムタラ号死す。  
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