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HOME   »   MLB  »  [MLBオールスターゲーム2014] デレク・ジータの輝き
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 今年のMLBオールスターゲームは7月15日にミネソタ州ミネアポリスで行われました。

 日本人プレーヤーとして、ダルビッシュ有投手と上原浩治氏が出場、両投手とも1本のヒットも許さない、素晴らしい投球を魅せました。

 MVPには、5-3で勝利したアメリカンリーグALのマイク・トラウト選手(エンジェルス)が選出されました。ダルビッシュ有がメジャーデビューしたシーズンで新人王を争った相手(トラウト選手が新人王)で、打ってよし守ってよし走ってよしの好プレーヤーですが、順調に成長しています。

 マイク・トラウト選手の凄いところは、今シーズンここまで打率0310、打点73、本塁打22と打撃3部門全てに安定した成績を残すとともに、出塁率と長打率を掛け合わせた指標であるOPSも1.005とALトップであり、さらに凄いのは「代わりのプレーヤーが居ないこと」を示し、近年とても重要視されるようになってきた指標であるWAR(Wins above replacement)が5.5とALで圧倒的なトップであることです。

 そして、シーズン開幕当初からトラウトはWARトップの位置を堅持しています。現在のALで「最も余人をもって代えがたいプレーヤー」ということになります。
今後のメジャーリーグを代表するプレーヤーの一人であることは間違いないでしょう。

 さて、MVPはトラウト選手でしたが、このゲームの主役はヤンキースのデレク・ジータ選手(40歳)でした。
 
 今シーズン開始前に今シーズン限りの引退を表明したジータですが、今年のオールスターにもファン投票で選出されました。これで14度目のオールスター出場というのですから凄いものです。
 もちろん、ニューヨーク・ヤンキースNYYというかALというかMLBを代表するプレーヤーの一人であり、全米中というか世界中に多くのファンを持つ文字通りのスーパースターです。

 ジータ選手の記録を挙げて行くとキリがありませんので、「ジータの凄さ」を示す事項をいくつか挙げてみようと思います。

① 厳しかった2年間を超えるマイナー生活

 高校時代に頭角を現し、1992年のドラフトでNYYから1巡目指名(全体6巡目)を受けたジータですが、すぐにはメジャーに上がれませんでした。マイナーリーグでも最も下のルーキーリーグからスタートし、半年かかってようやく1Aに上がりましたが「守備が下手」でした。(ヤンキース不動の遊撃手であり、ゴールドグラブ賞5度のプレーヤーとしては信じられないことですが)

 1A時代の1993年には年間56失策を記録しています。ジータは守備力向上に向けて「自主的に居残り練習」に取組んだと伝えられています。
 そして、1A時代の後半には守備力も上がり、低かった打率も飛躍的に上がりましたから、AA、AAAと昇格しました。ようやく、メジャーを目指せるステージまで上がったのです。

 そして、ジータ選手のメジャーデビューは1995年5月29日、しかし成績が上がらず再びマイナー落ちして、同年9月に再びメジャー登録されましたが出場は僅かに2ゲーム。
 本格的にメジャーでプレーするようになったのは1996年を待たなければなりませんでした。

 つまり、ジータ選手は「マイナーリーグ生活の苦しさ」「メジャーへ上がることの難しさ」を良く知っているプレーヤーなのです。学生時代からスーパースターで、入団初年から華やかにメジャーデビューしたプレーヤーとは、全く異なるキャリアということになります。

 マイナー時代の努力が実り、1996年のメジャー定着後は大活躍を見せて、満票での新人賞受賞、そして現在に到るまでの「驚異的な成績」を残すこととなったのです。

 ジータといえば、驚くべき闘争心とともにその「人間性の素晴らしさ」を指摘されることが多いのですが、このマイナー時代の苦労が人間性形成に大きな影響を与えているのであろうと感じます。

 2014年のオールスター戦終了後のインタビューで「(オールスター出場の)最初の頃は凄い人ばかりで怖気づいたんだ。でも球宴はいつも楽しかった。」とコメントしています。「最初は怖気づいた」というところが、いかにもジータ選手らしいところで、これだけの(現在なら並ぶもの無き)スーパースターとなっても、決して偉ぶることなく、常に謙虚な姿勢を維持できるのも、マイナー時代の経験が生きているように思うのです。

 もちろん、経験だけではなく「マイナー時代を忘れないこと」も、少しチヤホヤされると舞い上がってしまう我々凡人や普通の?プレーヤーが肝に銘じるべき素晴らしい美徳なのでしょう。

② 個人成績には全く興味を示さないが、凄い記録を残していること

 デレク・ジータが個人成績に興味を示さないことは、良く知られています。
 そして、20年に及ぶメジャーでのプレーにおいて、打率・打点・本塁打のタイトルを取ったこともありません。しかし「ヒット数は凄い」のです。

 2014年7月16日現在で3408安打を記録していて、これはメジャーリーグの遊撃手の通算安打数で圧倒的な1位(2位2673安打)であり、NYYのダントツのチーム記録(2位はルー・ゲーリックの2721安打)でもあります。

 最も人気が高いポジションであり、体力的に長く続けることが難しい遊撃手として、3000本以上の安打数を記録しているのは驚異的ですし、最も人気のある球団NYYの中心選手として長くプレーすることが、とても難しいことは明白ですが、そこでも一筋20年に渡って活躍を続け、圧倒的な通算安打数を記録しているのですから、「メジャー史上類を見ないプレーヤー」であることは間違いありません。「メジャー史上最高の野手」といっても、良いように思います。

 加えて、イチロー選手の活躍でも注目された「年間200安打越え」も、1998年1999年2000年2005年2007年2009年2012年と7回記録しています。中々達成できないと言われるシーズン200安打を7回も記録しているのですから「安打製造機」と呼ぶにふさわしいプレーヤーなのです。

 しかし、「ジータがヒットを打ち捲っている」というイメージは、ほとんどありません。そこが凄いところです。

 ジータ本人から「個人記録に言及するコメント」が出ることは皆無(私は1度も聞いたことがありません)」であることも、その原因のひとつであろうと感じます。

 ジータはチームの勝利、そしてワールドシリーズ制覇(5度達成しています)にしか興味が無いのでしょう。そして、アメリカのマスコミも「ルー・ゲーリックの安打数」を抜いた時には、特集を組んだりしましたが、その後は従来通り「ジータの個人記録」には、あまり触れようとしません。
 デレク・ジータは「個人記録を超越したプレーヤー」なのでしょう。そして、実は凄い個人記録を沢山保持しているのです。

 MLBオールスターゲーム2014でも、デレク・ジータ選手は2安打を放ち、超満員のファンの大声援に応えました。「輝くべき時に輝く」・・・。スーパースターとは、こういうものなのでしょう。

 MLBオールスターゲームは、2013年はマリアノ・リベラ投手のゲームであり、2014年はデレク・ジータ選手のゲームでした。2年連続でメモリアルゲームの様相を呈したのです。
 このことについては賛否両論があろうと思いますが、両選手がメジャーリーグに残した功績の大きさについて異論のある人は少ないでしょう。
 
 NYYの、MLBの「顔」であったプレーヤーが、今年も最後のオールスターゲームを終えました。一抹の寂しさを禁じ得ませんが、マイク・トラウト選手を始めとする「次代を担う旗手」も生まれてきています。

 40歳になるまで、私達に夢と希望を与え続けてくれたデレク・ジータ選手に大きな拍手を送ります。本当に素晴らしいプレーヤーです。
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