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HOME   »   サッカー  »  [ブラジルWC-52] 準決勝と決勝ではPK戦をやめてみては?
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 今大会もPK戦で決着したゲームが4つありました。

・ベスト16
① ブラジルvsチリ(PK戦3-2でブラジル勝ち)
② コスタリカvsギリシャ(同5-3でコスタリカ勝ち)

・ベスト8
③ オランダvsコスタリカ(同4-3でオランダ勝ち)

・ベスト4
④ アルゼンチンvsオランダ(同4-2でアルゼンチン勝ち)

 いずれも接戦の好ゲーム。どちらのチームも次ステージに進出させてあげたい、というゲームでした。

 もちろん、PK戦決着のゲームは公式記録上「引き分け」ですので、PK戦で大会を去ったチームは敗退ではないのです。

 例えば今大会のオランダチームは、グループリーグから通算して7戦5勝2引分と無敗でありながら、決勝には進出できませんでした。オランダのプレーヤーやサッカーファンにとっては「全く納得できない」ことでしょう。

 PK戦が始まったのは1970年代と古く、ワールドカップでPK戦が初めて行われたのは1982年スペイン大会の準決勝・西ドイツvsフランスでした。
 この大会は、1次リーグ→2次リーグ→準決勝→決勝という仕組みでしたから、PK戦の対象となるのは準決勝2ゲームと3位決定戦と決勝の計4ゲームでした。

 少し話が逸れますが、この「1982年大会準決勝・西ドイツvsフランス」は史上に残る名勝負でした。あまりに懐かしいので、少し書きます。

 先制したのは西ドイツ。ピエール・リトバルスキー選手がリバウンドを蹴り込みました。
 フランスも直ぐに反撃し、ミッシェル・プラティニ選手がPKを決めて同点。ゲームは1-1同点のまま延長戦に突入。

 延長戦はフランスが先行しました。ディフェンダーDFのマリユス・トレゾール選手が勝ち越し点を上げると、10分後にはカール・ハインツ・ルンメニゲ選手が同点弾を決め、アラン・ジレス選手が再び勝ち越し点を上げると、再び10分後にクラウス・フィッシャー選手が得点し、3-3の同点のまま延長戦も終了し、PK戦へと縺れ込みました。

 このPK戦も5人ずつが蹴り終わって4-4と決着がつかず、フランス6人目のマキシム・ボシス選手が決められずに5-4で西ドイツが勝利を収めるという、大変な激戦でした。

 この頃のフランス代表チームは、「将軍」プラティニ選手(現UEFA会長)を中心に黄金時代を迎えていて、1984年のユーロに優勝するなど最強の時期でしたが、西ドイツの本当に厚い壁に阻まれた形です。一方の西ドイツもこのゲームで精力を使い果たしたためか、決勝のイタリア戦では1-3で完敗しました。

 それにしても、前述のゲームの登場プレーヤーの懐かしいことと言ったら・・・。リトバルスキー、ルンメニゲ、フィッシャー、プラティニ、トレゾール、ジレス・・・。そういえばPK戦で活躍したドイツのゴールキーパーGKはハラルト・シューマッハ選手。この大会屈指の名キーパーです。今大会のマヌエル・ノイアー選手も同様ですが、「堅守ドイツチーム」には、いつの時代も素晴らしいGKが存在します。

 さて、話を戻します。

 PK戦の目的は
① トーナメント方式の大会において、次のステージに進出するチームを決めるため
② 各ゲームの延長戦で決着するまでゲームを続けることによる、プレーヤーの「疲労蓄積・故障発生」を防ぐため
 といった点が上げられるでしょう。

 一方で、前述のように「無敗のチームが次のステージに進めない」といったことや、「決勝トーナメント0得点のチームでも優勝できる可能性があること」といった、残念な欠点も存在します。

 当然ながら、PK戦ルールがあることを前提としたゲームプラン構築が行われますから、「守備重視」「失点しないこと」を標榜したゲームを目指すチームも出てきます。

 これは、本来「点を取り合う・ゴールを目指すスポーツ」であるサッカー競技の本質には、馴染まない考え方の様に思います。
 一方で、大会期間との関係でハードなスケジュールが組まれる中、プレーヤーの健康面を考慮すれば、決着するまで延々と延長戦を戦い続けるのも不得策という考え方も理解できます。

 この話はいつも結論が出難いテーマなのです。

 しかし、私はやはり「0得点で優勝する」というのは、サッカーの本質から外れている点を重視したいと考えます。

 そこで「準決勝・決勝の3ゲームにはPK戦ルールを適用しない」ことにすれば良いと思うのです。(3位決定戦はPK戦ルール適用)
 ベスト8までは、スケジュールと体力の関係からPK戦ルールを適用し、ベスト4以降は、延長戦を繰り返す形が良いのではないでしょうか。

 ベスト4まで進出した4チームは、残り2ゲームです。ここまで来たチーム・プレーヤーは「絶対に優勝するという気迫を持って戦う」のでしょう。であれば「決着を付けさせてあげたい」と思います。「引き分けで母国に帰る」のは、あまりに不完全燃焼でしょう。「疲れているけれども決着を付けたい」とベスト4まで進んだプレーヤー達の多くは考えるのではないでしょうか。

 加えて、どのチームも「得点しなければ絶対に勝てません」から、得点を取りに行くゲームプランを第一に考えることとなります。攻撃的なサッカーが展開されることとなるでしょうし、「得点を取る戦術・技術を磨く」方向にサッカー競技自体が進歩していくことでしょう。

 PK戦ルールが存在する限り、少し力量が劣ると考えていたり、「点を取りに行くことで失点の可能性が高くなるリスク」を冒したくないチームは、「守りに徹してPK戦に持ち込む戦略・チーム作り」に走ることになるのでしょう。このこと自体は現状のルールに則っていますから問題は無いのですが、決勝戦進出あるいは優勝という栄誉までもが、0得点でも獲得できるというのは、サッカー競技の進歩・未来を考えると、良いルールとは言えないでしょう。

 また、いつの時代もサッカー競技を財政面・精神面で支え続ける大多数のファンにとって「面白くないゲームが増える」のは良いこととは到底思えません。

 「0-0でも面白い試合はある」というご意見もあるとは思いますし、おっしゃる通りだとも思いますが、0-0でも面白いゲームというのは「双方が得点を目指して攻め合うが、結果として0-0のゲーム」でしょう。ガチガチに守備を固め合うゲームは、やはり面白くないし、そもそもサッカー競技の本質から遠いものだと感じます。

 さらに、PK戦はPK戦として面白い、というご意見もあるでしょう。GKにとっては見せ所でもありますし、既に相当定着してきています。「あのPK戦」といった形で、記憶に残るものもあります。
 しかし、やはりPK戦にはロシアンルーレットのような要素、当たるも八卦というか、不確実な要素が多いと思います。「弛まぬトレーニングにより磨き上げた戦術・技術・体力を持って勝敗を争う」という観点からは、異なる種類の競い合いに見えるのです。

 当たり前のことを書き恐縮ですが、サッカーはピッチの中でボールを動かしながら得点を取り合う競技であり、得点が多いチームがゲームの勝利を収めるスポーツなのです。
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