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HOME   »   高校野球  »  [夏の甲子園2014] 2013年とは好対照の準々決勝4試合
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 夏の甲子園2014の準々決勝4試合が8月22日に行われました。勝ち上がってきた好調な8校の激突であり、「必ず優勝校を観ることが出来る」ことから準々決勝の日は、夏の甲子園大会でも最も人気があると言われています。

 2013年の準々決勝4試合は「全て1点差」と接戦が続きました。手に汗握る展開のゲームばかりだったのです。
 ところが2014年は違いました。ある意味では「一方的な展開」のゲームが多かったのです。ベスト8に勝ち進んできたチームは、投打共に好調な筈なのですが、今年の準々決勝は試合の流れが一方のチームに傾くケースが多かったのです。
 2013年と2014年、ほんの1年ですがこれだけ違う景色を見せるのですから、野球というのは不思議なスポーツです。

[第一試合 三重9-3沖縄尚学]

 沖縄尚学のエース山城投手を三重の打線が攻略し、思いがけない大差のゲームとなりました。
 ポイントとなったのは、3-2と三重が1点をリードして迎えた5回表の攻撃。先頭の宇都宮選手がヒットで出塁しますが、盗塁失敗で1死ランナー無し。チャンスは潰えたかに見えましたが、続く4番の西岡選手がホームランで4-2とリードを広げました。
 そこから2安打とエラーで1死満塁と攻め立てましたが、8番中林選手が三振で2死。ここでもチャンスが潰えたかに見えましたが、9番今井選手が左中間真っ二つの2塁打。3人のランナー全てが生還して7-2。続く長野選手のタイムリーヒットで今井選手も還って8-2としました。これで、ぼぼゲームの帰趨は決まりました。

 山城投手は、ストレートの最速が138kmと今ひとつスピードが出ていなかった上に、高目の投球が多かったため集中打を浴びてしまいました。おそらく、もう少し低めにボールを集めるのが本来の投球なのでしょう。
 絶対的なエースが5回までに11安打・8失点では、さすがの沖縄尚学も追い付くのは難しかったのでしょう。

 打線の爆発で目立ちませんでしたが、三重の先発・今井投手の投球は「要所を締める」見事なものでした。沖縄尚学打線も11安打を浴びせたのですが、あと一本が出なかった形です。

 三重高校は初のベスト4進出。三重県勢としては、1955年(昭和30年)の四日市以来59年振りの準決勝進出となりました。過去10年間、1勝することにも苦労してきた三重県勢としては溜飲を下げる大活躍でしょう。

[第二試合 敦賀気比(福井)7-2八戸学院光星(青森)]

 3回戦までの3ゲームを、16得点・10得点・16得点という猛打で勝ち上がってきた敦賀気比を相手に、光星は背番号11・左腕の呉屋投手を先発に立てて臨みました。左腕独特の投球で、強力打線を交わそうと考えたのでしょうか。

 しかし、敦賀気比打線は容赦なく襲いかかりました。1回裏2死ランナー無しから2つの四球で2死1・2塁となって、迎えるは5番峯選手。4番の岡田選手は敬遠に近いストレートの四球でしたので、峯選手は燃えていたのでしょうか。カウント1-1からストライクを取りに来たボールを軽々とレフトスタンドに運びました。先制3ラン。

 2回裏の1死2・3塁、3回裏の1死1・3塁のピンチは何とか凌いだ光星でしたが、4回裏に2死3塁からタイムリーヒットを浴び、5回裏にも3連続タイムリーヒットで3点を奪われて、7点のビハインドとなってしまいました。

 敦賀気比の打線の凄いところは
① カウント3-1からでも、四球を期待して1球待つこと無く打って行って、ヒットにするところ。
② 5回裏の攻撃に端的に見られる、1死2塁からのセンターオーバーの2塁打、2死2塁からのセンター右中間寄りの3塁打、といった長打によって得点するところ。

 でしょう。
 ランナー無しでもホームランを打たれるのではないか、ランナー1塁でも外野の間を割られるのではないか、と相手チームに感じさせる長打力が、1番から9番まで切れ目なく備わっている感じがします。怖ろしい打線と言えるでしょう。

 また、打線の陰に隠れがちですが、先発・平沼投手の好投も見事。初戦、第二戦、そして準々決勝と完投し、計3失点と素晴らしい投球内容です。第三戦も先発していますから、まさに大黒柱というにふさわしい活躍でしょう。
 超強力打線も、
平沼投手がどんと構えているからこそ「思い切り振っていける」のではないでしょうか。

 八戸学院光星高校としては、先発の呉屋投手、2番手の八木投手が、敦賀気比打線に捕まってしまい、コントロールも乱れがちとなり、守備にもよもやのエラーが出てしまっては、苦しい戦いとなりました。いつも安定した力をゲームで見せるチームとしては、珍しいゲームでした。

 敦賀気比高校は19年振りのベスト4進出。大会前から評判であった打線が、看板通りの破壊力を発揮していますので、今後のゲームも楽しみです。
 ただし、このゲームは5回までに11安打で7点を奪いましたが、6回以降はノーヒットでした。「もう十分」と考えたのか「大振りが身に付いてしまい打てなくなった」のか分かりませんけれども、懸念材料でしょう。

[第3試合 大阪桐蔭5-2健大高崎]

 健大高崎の「足攻野球」が大阪桐蔭に通用するかが注目されたゲームでした。

 1回裏、先頭の平山選手が四球を選び、二盗・送りバントで1死3塁として、3番脇本選手の犠牲フライで先制した(1-0)時には、3回戦までの健大高崎野球が継続されている感じでした。

 その後大阪桐蔭は、この足を封じ込めることに成功しました。4回裏には、守備妨害もあり、次第に健大高崎は攻め手が無くなってきたのです。

 それでも、健大高崎の投手陣・守備陣が踏ん張り6回目では互角(2-2)の試合を展開したところはさすがでした。

 しかし、7回表大阪桐蔭の1番中村選手に2ランホームランが飛び出し4-2、ゲームの流れは一気に傾きました。この回大阪桐蔭は2死満塁と攻め立てましたが、ここは松野投手がよく踏ん張り追加点を許しませんでした。これは見事な粘りでした。

 とはいえ、大阪桐蔭の先発・福島投手がサイドスローから健大高崎打線に的を絞らせず、与四球も僅かに2個とあっては、健大高崎は「打っていくしかない」状況に追い込まれました。
 8回・9回と大きなフライが外野に飛びましたが、あと一歩伸びが無く、フライアウトが目立ちました。福島投手のボールは余り飛ばない印象でした。これが、サイドスローの強みなのかもしれません。

 「足攻野球」に必要な四球が少なく、散発の7安打に抑えられては、さすがの健大高崎高校も万事休すという感じでしょう。

 一方の大阪桐蔭高校は、初戦こそ苦しい戦いでしたが、その後は安定したゲーム運びを見せて、準決勝に勝ち上がりました。
 スーパースターが居ない今大会のチームですが、個々の選手の「落ち着いたプレー振り」は見事なものです。このゲームも、がっぷり四つから7回以降、じりじりと押して寄り切った「横綱相撲」という感じでしょう。
 龍谷大平安や東海大相模などの優勝候補チームが次々と敗退して行く中で、大会前の優勝候補としてベスト4に駒を進めたのは流石です。総合力が高いチームというところでしょうか。

[第4試合 日本文理5-1聖光学院]

 第3試合同様、この試合も中盤までは拮抗した展開でしたが、終盤に日本文理が突き離した形です。

 日本文理は1・2回に得点しましたが、1回は得点後に1死1・3塁、2回は当初の無死2・3塁のチャンスで各1点しか取れませんでした。両イニングとも小太刀選手のタイムリーヒットでしたが、特に2回は2死となってからの打点でしたから、日本文理にとっては最低限の得点は出来たという形だったでしょう。
 しかし結果としては日本文理の逸機という感じが強く、聖光学院が良く守ったという雰囲気で、1点を返して1-2の1点差としていましたので、後攻でもあり勝負の帰趨は全く分からないという展開でした。

 そして、聖光学院の先発・船迫投手の粘り強い投球が続きました。6回までに日本文理打線に8安打を喫しながら、失点2に抑え込んだのです。

 勝敗を分けたのは7回2死1・2塁からの5番小林選手のタイムリー2塁打でしょう。ここまでチャンスでも決してスクイズなどせず打たせてきた戦法が、ついに実を結んだ感じです。3-1と2点差となって、試合の流れは一気に日本文理に傾きました。

 もちろん、日本文理の先発・飯塚投手の力投も素晴らしいものでした。聖光学院打線に10安打を許しながらも1失点に抑えたのですが、まさに「打たせて取る投球」でした。三重高校の打者40人と対戦して、被安打10の中で奪三振は僅かに1、見事な投球術を魅せていただきました。

 今大会の日本文理高校は、各試合の得点こそ6点以内と猛打爆発という感じではないのですが、逆転勝ちが多く競り合いにも強いという、とても勝負強いゲームを展開しています。「投打のバランスが良く勝負に激辛のチーム」というところでしょうか。

 さて、2013年の準々決勝4試合が全て1点差であったのに対して、2014年は試合当初から、あるいは試合中盤から、一気に一方のチームに流れが傾く展開が観られました。
 そして、勝利を得たチームに共通する特徴は「投手力を始めとする守備力が安定していること」でしょう。完封勝ちが少なく打ち合いのゲームが多い今大会では、攻められている時に「余計な失点を防ぐ」「追加点を阻止する」ことが出来るチームが勝利を収めているのです。

 さて、8月24日の準決勝の組み合わせは
・第一試合 三重VS日本文理
・第二試合 大阪桐蔭VS敦賀気比
 となりました。

 三重・今井投手、日本文理・飯塚投手の投げ合いがとても楽しみですし、大阪桐蔭と敦賀気比の打ち合いも見所十分でしょう。

 一方で、2試合とも、これまでの試合振りとは異なるゲームが展開されるような気もします。
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